持続可能な社会の未来を拓くグローバル博士人材育成プロジェクト

学内専用ページ

学生インタビュー

中家 晶瑛(ナカイエ ショウエイ)

所属
言語科学研究科言語学専攻
課程・学年
2025年度SPRING修了
研究テーマ
日本社会における移民2世の継承語とアイデンティティ

中家 晶瑛(ナカイエ ショウエイ)

博士課程に進んだ理由

想定外なことがあっても確かな目標に向かって

現在は言語学専攻に所属していますが、修士課程では、他大の大学院の日本語教育専攻で研究をしていました。次第に関心が移り、応用言語学分野で研究したいと考え、博士後期課程からは研究科を変更しました。

博士後期課程への進学は修士課程の最初の段階から意識していたので、情報収集や見通しは早い段階から行なっていました。加えて、大学院入学前に民間でのキャリアを経験していたことから、民間に戻るのではなく専門家としてキャリアを形成したいと思っていたので、博士後期課程に進学することは自然な流れだったと思います。

元々修士の時の先生のもとで博士後期も行う予定でしたが、先生が転勤ということで「これを機に新しい先生を探そう」と思いました。しかし、修論を書いていた時期と重なっていて新しい先生を見つける時間の余裕はありません。1年終わって研究生として大学にいながら新しい先生を探し続けました。今後進めていきたい自分の研究方向により近い先生がいらっしゃるところが上智大学でした。都内という立地の良さもありますが、私の場合は「その先生の所に行こう」という感じで、博士後期課程は上智大学でと決めました。

研究内容

日本社会における移民2世の継承語とアイデンティティをテーマに

継承語とは移民2世にとって、親の母語を指します。

昨今、様々な理由から来日し生活する外国人が急激に増加していることから、そのような方々に対する日本語教育が拡充されてきています。一方で、日本社会で生活するために日本語学習は重要であることは事実ですが、日本語学習が最優先されるあまり母語教育の機会は十分ではありません。

具体的には、来日し生活する外国人の子どもたち(外国ルーツの子どもたち)は、日本で生まれ日本社会で育つことから、日本語能力が強くなり、自分の母語を話すことが難しくなってきます。その状況で彼らが経験する自分の母語への葛藤やアイデンティティは、非常に複雑で、一言で言い表せるものではありません。

私の研究では、このような方々のライフヒストリーから、自分の母語や日本語など、自らを取り巻く言語に関する経験やアイデンティティを明らかにしています。私の研究成果は、日本国内の外国ルーツの子どもたちや移民の言語教育環境をより良いものにするために資する知見を提供できると考えています。

SPRINGの魅力

様々なプログラムの支援が研究実績を増やしていく

SPRING学生に選んでいただけた時のことを思い出すと、周りから「研究していいよ」と言ってもらえた感じがしました。

SPRINGに採択される前は、研究費(研究書籍や出張旅費など)は、全て自費で賄っていたので、このように資金援助をいただけることは本当にありがたく、感激しています。採択前、自ら研究費を支出する環境では、高価な研究書籍を購入できないためあらゆる図書館を奔走したり、首都圏の学会にしか参加できなかったりと、様々な制約があり、支出を抑えると研究を推進できないといったジレンマに苦しんでいました。こうした状況でしたので、SPRINGに採択いただき、研究費を支出いただけるようになってからは、研究実績もさらに増やすことができたと思います。

SPRINGの他に、上智大学独自の大学院生研究プログラムも大変手厚く、学会への旅費、英文校閲の費用などご支援をいただきました。また、研究活動以外となりますが、イタリア・ローマで行われた、カトリック大学連合主催の大学院生向けのワークショップに参加させていただいたことも、自分の研究にも活きる貴重な視点をいただきました。SPRINGに採択いただく前は、海外で研究する、英語で研究を発信することは正直考えていなかったのですが、上述のように、英文校閲の費用を負担いただけるプログラムで、英文で論文を発表する機会や、海外に派遣していただける機会を頂けたことで、自分の将来に対する考えが大きく変わったと思います。

また、私は自宅で一人で研究しています。事務的な手続きとか図書館に行くとか、四谷キャンパスに出向く機会は月に1回あるかないかの時期もあります。SPRINGプロジェクトには博士後期課程学生向けの能力開発プログラムがいろいろありますが、やはり私は自宅で研究してるので、同世代の立場の、博士後期課程の学生と知り合えたのは良かったと思います。1年目の時よりも2年目と、顔を合わせる機会も増えて話すことも多くなりました。研究の話や込みいった話はしなくても、例えば女性で同じぐらいの歳でこの後のキャリアを考えなければという時に、同じような人もいるみたいな、何か連帯みたいな感覚になれるのが私にとってはすごく良かったことです。

今後の展望

研究者としての経験を深めるために

今後は、国内外で研究者としてキャリアを形成したいと思っています。できれば一度海外に行って教員か研究員でもいいんですが、海外に滞在して研究してから、また日本に戻って研究を続けたいと考えています。

SPRING生を考えている人への一言

絶好のトレーニングの機会

申請書作成は、自らの研究を客観的に振り返り、自らの研究をアピールする絶好のトレーニングの機会になると思いますので、関心のある方は、ぜひ挑戦されることをお勧めします。

自分の研究に関して自信を持って受け答えをする。それは結構普遍的なことではないでしょうか。皆さんも自信を持って、自然体でSPRINGに挑戦してみてください。